いつか読書する日

eiei322005-07-23

ユーロスペースで「いつか読書する日」を観た。
http://www.eiga-dokusho.com/
たぶん、今年の映画の中で一番の映画であろう。昨年の一番の映画は、「誰も知らない」である。
映画は、長崎の町が舞台で、階段の多い町。そこを主人公の50歳の女性が、肩から牛乳瓶をかけ、各家庭に配って回る。この映画に描かれるのは、生。愛と死、若さと老い。50からの人生は、長いといい、そこには、まだまだ知らない楽しみがあるという。淡々とした日常生活、そこに生が丁寧に描かれている。50から85歳まで人生があればいい。だが、わが家系は短命。50以上の人生なんて考えられない。50歳まであと8年。これをどう生きるかが、自分の最大の関心事。映画では、50歳で誰かが人生を変えるきっかけを作ってくれた。映画と現実とではやはり違う。僕の人生は、僕が変えるしかない。平々凡々の人生でよしとする。でも、必要とするものもあり、足りないものがある。これまでの生き方と決別して変えるか、このままの人生で変るのを待つか。待つにすれば、8年は短すぎる。この映画でも、50までの人と50からの人がいる。一瞬の喜びで良しとできるか。否、人の欲望の深さを考えると、良しとはできない。
生きることは、難しくもあり、楽しくもある。人生の歳月は、生命力をたくましくする。