ばななを読む

eiei322005-08-31

今、吉本ばななの「ばななブレイク」の文庫本を読んでいる。吉本ばななとは歳がひとつ違い。これは、すっごく、意外。さて、この本は、ばななのコラム集。主にCutからのコラムが多い。この人の小説はかなり好き。でも、エッセイ集とかはまったくよんでいなかった。これが、素のばななさんとの初対面みたいなものだ。ずっと年下と思っていた(これは、彼女がデビューした随分後から小説を読んだせいだろう)、ばなながこんな吉本隆明張りの表現をするなんて驚きだった。たとえば

「その人が徹底してその人であり続けて全うする人生ほどすばらしいものはない。そこには善悪はない。ただその魂の色と力が残像のように残るだけだ。そうであればあるほど、つじつまが合わなければ合わないほど、人間そのものなんだと思う。」
とか
「一生懸命に明るく生きることだけが世の中の暗闇を照らし、人間を救うことができるのは「日常に生きる人間の明るさ」だけだ」

など、あげるときりがないほど、ダイヤモンドのような文章がちりばめられている。でも、中には、これは偽者だな、無理して書いているなんて思えるみかけ倒しの文章も見られる。どちらも父親の血筋といっては失礼だが、そう感じてしまう。
ひょっとしたら、脱吉本隆明を大きくしょっているのではないかともおもってしまう。ま、他人だし、他人の人生どうでもいいけど、ばななの文章は、僕の中の何かを呼び起こそうとしているみたい。これは、感謝。Thanks。

写真は、月曜のナイトドライブのときの別の一枚。