きれいな肌

eiei322007-04-20

新国立劇場の小劇場で観る。
作:シャン・カーン、演出:栗山民也
ドッティ(母):銀粉蝶、サニー(弟):北村有起哉、ヘザー(姉):中島朋子
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000121.html

新国立劇場の小劇場ではいい作品を見せてくれる。そうつくづく思う。こんな劇場がもっと近くにあったならと幸せだろう。

この作品は、「国際演劇人交流」という企画のもとパキスタン系イギリス人シャン・カーンが書いた。
イスラム教を扱った宗教色の強い作品かと思ったが、宗教差別をえぐるような作品ではない。
民族と宗教。
舞台はイギリスの地方の小さな町だろう。そのアパートの一室が舞台。
作品ではイスラムに対する感情、民族、そのもとの血がテーマとなる。母と姉と弟がその狭間でいがみ、愛し、苦悩する。
人生は周りの人の人生により翻弄されるという母。自分をみつけそこから始まるという姉。イスラムを嫌悪する弟。
この三者がいりまじる。

劇を見て、人生もまた舞台の上のできごとのように、その場限りの波瀾万丈ならまだ気楽なのにと思った。