Noda Map THE BEE

eiei322007-07-12

メッセージがある。そのメッセージは、受け手、観衆にはさまざまに受け取られる。受け手の感性に、イマジネーションに、バックボーンによって、そのメッセージは、形を変え、色を変える。幾重にも幾様にも変わる。
そういう劇だと思う。

とてもすばらしかった。70分の劇。
シアタートラムという、小劇場での劇。

犯罪者の悪人が、通りすがりの家庭に入り妻と子を人質に、自分の家族に会わせろと要求する。人質を捕られた夫は、あてにならない警察にあきれ、犯罪者と対立する。夫は、犯罪者が会わせろと要求する家族を人質に捕り、自分の家族を解放しろと犯罪者に要求する。夫は、普通の市民から犯罪者へとなる。悪人より悪に徹してまで、家族の解放を迫る。

そこに、戦争の縮図を見た。(おいらが勝手にそう、みた。)
力あるもの(男)が弱者(子)を虐げてまでも、自分の要求を通そうとする。
自分の身を守る者(妻)は、力あるものに従う。
双方の理不尽な要求。犠牲を強いてまでも要求を押す。そして、暴力が正当化され、弱者を虐げ、閉塞された環境での自分の力に酔い、快感すら感じてしまう。
戦争のおろかな指導者そのものだ。

争いの渦中での極限状態では、人は自分の欲望しか考えない。生きることしか考えない。動物的になる。
このストーリーに出てくる BEE(蜂)は何を意味しているのか?

この劇、7時30分開演。こういう時間だと余裕を持って劇場に行けるからうれしい。

帰りは、表参道まで出て、夏の夜の散歩。渋谷まで歩く。