蜷川演出

eiei322006-11-07

シアターコクーンにて見る。渋い劇。すばらしい。
上演時間は約3時間。
席はG列。はじの方だが近くでよく見える。
光のコントラスを使い、変化のない舞台に変化をもたせ、妄想と現実の世界を表現している。光と影のつかいが見事。へんな表現だが演劇の濃い演劇を堪能した。踊りのタンゴはほとんどない。主役の堤真一が演じる俳優であった盛が妄想を烈しくしていく様を描く。出演はほかに常盤貴子秋山菜津子高橋洋段田安則ほか、多数。幻の観客役で90人もいる。


ストーリー

日本海に面した町の古びた映画館、北国シネマ。
清村盛は有名な俳優だったが、3年前「オセロー」の舞台を最後に突然引退して、今は妻ぎんとともに、弟・重夫が経営する生まれ故郷の映画館でひっそり暮らしている。
ある日、北国シネマにかつての俳優仲間であった名和水尾と、彼女を追ってきた夫・連がやってくる。
今や演劇界のホープとして活躍している水尾は、かつて盛と激しい恋に燃えていた。
彼女は突然姿をけした盛に想いを残したまま女優として歩み始め、過去を棄てるため連と結婚したのだった。
そのな水尾のもとに、盛から「ぜひ会いたい」という手紙が届き、こうしてやってきたのだった。
しかし、彼女の目の前にあらわれたのは、すっかり狂気に取り付かれてしまった男の姿だった。


演出がすごいと思った。そして、主演俳優のちからがもっとあればとも思った。とっても俳優の力量を要求する芝居だ。
もう一度、立ち見でいいから見てみたい。

http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/06_tango/index.html