世田谷パブリックシアターにて。

eiei322009-03-13



とても静かで美しい芝居。

三軒茶屋にあるこの劇場はほどほどの大きさで、2階3階席は壁に薄くつくようで、丸く舞台を囲うような、雰囲気ある会場。
深津絵里が演じる、それだけでチケットを手に入れたもの。

そう、見るまでは何も期待などなかったし、どのような芝居かも知らなかったもの。

原作は春琴抄谷崎潤一郎の作品。彼の小説は読んだことがたぶんない。


舞台が終わったあと、拍手する手に力がはいらない、力をどっと芝居に根こそぎされたような、それも静かにすーっと引き抜かれたそんな、凄い芝居だった。

泣くような作品ではないが、涙はやばかった。

多くの立ち見客がいるのも、これならな、と思う。
でも、立ち見客の立場所は、正直再考してほしい。



静かで、白黒の日本画のような、切れの鋭い刀で、ゆっくりにすーっと切られるような。

演出はサイモン・マクバーニー

この作品は、昨年この会場で公演され、今年1月ロンドン公演、そして今回の公演となっている。